こんにちはメンタリストのケイです。
今回はなぜメンタリストが人の信頼を得られるか?についてお話ししたいと思います。
私がメンタリストとして活動をしてきたことは以前の投稿で申し上げました。その時にメンタリズムと一緒にショーで演じていたのが催眠でした。
催眠と聞くと中には「本当に催眠なんてあるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、催眠は心理学、生理学に基づいた治療法であり、国によっては保険が適用されるほど当たり前に存在するものです。怪しげな印象を受けるのは、メディアの取り上げ方に問題があるのでしょう。誰でも術者が指をパチンと鳴らしただけで、観客が一瞬でネコになってしまうシーンを見れば、疑わしく思うのも当然です。実際にネコにすることは可能なのですが、もちろん指を鳴らすだけでは不可能です。事前に丁寧にネコになる暗示を与えてネコになった状態にしてから、指を鳴らすと一瞬でネコにいつでもなってしまうと暗示をかけておき、本番前に催眠を解いておくのです。そうすると術者が本番で指をパチンと鳴らしただけで被験者はネコに戻ってしまうのです。しかし、それではテレビ的に面白くありませんね。なので本番前の予備催眠の部分はバッサリと編集されて放送されることになります。こうして術者が指を鳴らしただけで観客がネコになる奇跡が作り上げられるのです。
ただ今回お話しするのは、催眠で人はネコになる、ならないの話ではありません。それよりも催眠をかけるにあたって最も重要なラポール形成の話です。ラポールとは催眠用語で「信頼」を表す言葉です。信頼なくしてはクライアント又は観客は絶対に催眠にかかってくれないのです。それは当然の話で、ただでさえ催眠にかかったら術者の思い通りに操られてしまうのではないか?と催眠に対して恐怖や警戒心を持っている方が多いからです。実際にそうしたことも不可能ではないのですが、だからこそ「この人なら、変なことをしないだろう」という信頼を持ってもらうことが重要なのです。
通常、私が被験者に催眠をかける際に必ず踏むステップがあります。それは興味→信頼→誘導→暗示→解除です。詳しく説明すると
興味 術者や催眠に対して興味をもってもらう。興味をもってもらわなければ術者の言葉は全く被験 者の心には届きません。
信頼 術者を信頼してもらう。術者に対する信頼感と安心感を感じてもらい。術者のリードに安心して身を任せてもらえる状態を作ります。
誘導 催眠状態に誘導する。実際に呼吸法やイメージ法を用いて、催眠状態に導いていきます。
暗示 色々な暗示を入れます。腕が動かなくなる禁止暗示や幻覚などを見せる幻覚暗示を入れます。
解除 催眠を解く。催眠を解除して通常の覚醒状態に戻します。
大まかに催眠をかけてから解くまでのステップを分けると、このようになります。つまり第一段階の興味と第二段階の信頼のステップが完了していなければ、第三段階の誘導には進めないのです。
通常、催眠療法を実施するクリニックにクライアントが初来院すると初回からいきなり催眠をかけられることはありません。なぜならば、まだ初対面の医師とクライアントの間にラポールが形成されていないからです。そのため医師は会話を通してクライアントの症状を聞き出す過程で、クライアントに催眠に興味を持ってもらうと共に、信頼関係を築き上げます。それとともにクライアントの症状に合わせた暗示文を考えることになります。この暗示文こそがクライアントにとっての処方箋になるのです。しかし、メンタリストがショーで催眠をみせる際には、観客とゆっくり会話をしてラポールを形成する時間はありません。ではどのようにしてラポールを短いショーのなかで形成して催眠をかけるのでしょうか?その答えは本物の超能力と見紛うようなリアルな奇跡をみせるのです。それを目の当たりにした観客の心の中には「この人は不思議な能力をもっている!」という一種の畏敬の念に似た興味と信頼が芽生えるのです。
メンタリズムの歴史を紐解くと、メンタリズムはエンターテインメントではありませんでした。もともとメンタリズムは偽の霊能力者が信者を獲得するために使用していたトリックなのです。偽霊能力者は相談に訪れた者に厳かにメンタリズムを演じて見せます。そうすると目の前で奇跡を見せつけられた相談者は偽霊能力者に特別な能力があると信じ込み、信者になってしまうというわけです。それらのトリックは偽霊能力者の間では秘中の秘とされていました。そのトリックをマジシャンが暴き、自分たちのショーに無断拝借をしてエンターテインメントとして演じ始めたのがメンタリズムの始まりと言われています。つまりメンタリズムにはそういう威力が備わっているのです。
あなたも霊能力者を演じるとまではいかなくても、周囲の人達からちょっと不思議な力を持った人と見られたくないですか?それは決して難しいことではなく、少しの努力で達成できることなのです。これからも日常生活で有効に活用できるメンタリズムに関する情報を投稿していきたいと思います。